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2013年 09月 16日
フェリーから出ると意外と混雑していなかった。あの観光客の団体は何処へいったのだろう。
私は宿の客引きを待ち望んでいる。 ウーンとキョロキョロしていると、フェンスの向こうに紙を掲げたおじさんおばさんが三人いた。客を迎えに来たのだろうか。私を見てエキサイトしている。 私は目を細めて紙を見たが全く分からん。するとホテールホテールと言っている! お!客引きだ! フェンス越しに客引きのオジさんが話しかけてくる。25€だよ!と。 Wi-Fiある?と聞くと有ると言う。 じゃあ20€でどうだ?とメモに値段を書いて見せたがダメだと。その代わりこのバアちゃんが20€だよ!と。しかしインターネットは無いと言うではないか。そりゃダメだよバアあちゃんと断って、Wi-Fiのあるオジさんに三日泊まるから20€にしてよと交渉。国籍を聞かれたので日本だと言うとものすごく喜んだくせに、急に他のターゲット(2人組)に目を移して、そっちに行ってしまった。 なんてこと! チョットセニョール! 「そのバアちゃんがベリーチープ!」と。 そこにはもう私とバアちゃんしか居ない。私はWi-Fiを諦めてバアちゃんに引き取られていった。 ん?その前に建物いってこいと? どうやらイミグレーション?だったみたい。パスポートチェックされて終わり。荷物検査もない。 建物から出るとバアちゃんが心配そうにこっちを見ていた。手を振る。私だってもうバアちゃんに捨てられたら困るのよ。 今更のように宿の写真を見せてきた。お!ほんとに眺めがよろしいのね! 朝の7時過ぎにばあちゃんと坂道を上がる。すぐそばだと言うけれど!確かに階段登ればそばだけど、バアちゃんは私の荷物が重いだろと坂道を選んでくれたせいで距離が延びる延びる。はあはあ。 やっと家に着いた。 集合住宅だった。 みんな寝てるから静かにねと言われ、導かれるままに階段を…ってまだ?ねえねえまだなの?これエレベーターないの? 後に数えれば54段しかなかったが、重荷と坂道の後にこれは死ぬかと思えた。 これガラガラ引いてくる人はヤバイね。宿の人はバアちゃんだし、持ってくれないよw 中はほんとに普通のアパート。 空いた部屋を貸すだけのスタイル。お風呂場もキッチンもバアちゃんと共同だ。 潔癖性の人はダメかもね。 しかし普段からドミトリーなどに泊まり、他人とのシェアを体験してる人なら大丈夫だ。 眺めはほんと…最上階の角だけに美しい。美しい湾曲を描いた港が一望でき、景色だけは一級だ。 しかしホントに他人の家にホームステイみたいな感覚。最初は戸惑ったけど、ばあちゃんが私の腕を掴み、船着き場に戻ったらダメだよ(^ω^)って言い出すから、オッケーオッケーだから!と答えた。 いま日記を書いていると、外からの船の汽笛が聞こえた。すぐ外を見ると大きな豪華客船が岸を離れてゆくところだった。この金色の輝きの中に。 素晴らしい。 庶民の家の窓で憧れの滑車と紐のアレに洗濯干したり、ばあちゃんに洗濯教わったり。ばあちゃん洗濯バサミ使いすぎだよ!wwww 靴下一つに洗濯バサミを二つ。 ベランダが無いから、もし洗濯バサミが壊れて洗濯モノが落ちた場合、洗濯を下まで取りに行かないといけないからかな。 と、かなり楽しんでいる。 キッチンの使い方も教わった。 ちゃんとOFFにしてねと何回も言われた。ヤバイな、やりそう。 宿に着いた早々、ばあちゃんがコーヒー入れると言ってくれた。眺めの良さにひたすら感嘆し、写真を撮っていた。 するとばあちゃんは、私にお菓子をくれたのだが、何かがキッチンペーパーにグルグル巻きwww なにこれwwww これクロアチア式? それともばあちゃんの手抜き?w これほんと客商売じゃないよねバアちゃんwwww キッチンペーパーを剥ぐと、カステラを粗めにしてギュッと固めたようなお菓子が出てきた。 なんの抵抗もなくパクり。 もぐもぐ。 ヤバイ…菓子パン美味い国かよクロアチア。バアちゃんコレ美味しい!と何度も言った。ヤダこれペルーみたい!この感じはペルーのワラスのママンよ! やがてコーヒーがポットに入れられて来ました…ってコレ計量カップじゃんバアちゃん!! さっき計量カップを直接IHの丸いところに置いていたけど、まさかそのままコーヒーまで入れやがるとは!! 何もかもが私のツボを押す。 ダメだ、まだ笑うな。 砂糖が入ったコーヒー。 私は砂糖が好きだといい、あなたも好きなだけ使いなさいと指をさしたその先にはシュガーポットが… ワン ツー スリー フォー フォー? とバアちゃんに顔を向けた。 バアちゃんは恥ずかしそうに笑っている。 砂糖の白い粉のベタつきがあるテーブルとシュガーポット。これは掃除しなきゃねバアちゃん。でも目が見えてないんだろうな。 そして私がタバコ吸っても良いかと恐る恐る聞くと灰皿を出してくれた。 キノコ?? タバコを入れる穴がある。 そしてキノコには煙突が…。 バアちゃんがその穴にタバコを入れろと言うから入れてみると、なんとキノコの煙突から煙が!!!! だめ!もう我慢できない!! くだらねえwwwwwwぎゃはははははは!! バアちゃんも笑っていた。 そしてやっと観光地らしい話をした。バスの乗り方とか、帰る時は8のバスだとか、安いチケットは何処で買うとか。地図もくれたけどボロボロ。後で私が新しいマップをもらって来てあげよう。 やはりバアちゃんはWi-Fiの事を気にしていた。あの港の建物にインターネットあるよと教えてくれた。いやもうWi-Fiはカフェに行きますよ。 バアちゃんはインターネット無いから、その分ご飯持って行きなさい!と冷蔵庫をゴソゴソ。 !? またキッチンペーパーにグルグル巻きの何かが出てきた!中身はチーズ!しかもキッチンペーパーの紙がくっ付いている!バアちゃんは笑いながらパピルパピル!と言っていた紙をはいでいた。 これさ、私だから笑ってるけど、他の人だとやばくね?w ペットボトルの水をくれたけど、栓が開いててさ、これ水道水?っておもったらやっぱりそうだったの。普通の人なら怒るよ?笑 バアちゃん的には水道水を冷たく飲む方法として、ペットボトルに水入れただけなんだろな。 バアちゃんはパンを持って来てザクザク切ってチーズを三枚も挟んでくれた。そしてまた…キッチンペーパーにグルグル巻きwwww わかったから!! もうヘラヘラしっぱなし。 そしてバアちゃんは冷蔵庫を開けて、何を使っても良いと言う。まあ使わないけど…バアちゃんありがと…ん? その鍋なんだ? バアちゃんは自分で冷蔵庫の中の鍋の蓋を開けた。 !! 「中身なんも入ってないじゃんwwwww」と、思いっきり日本語で突っ込み、膝を床に着いて笑い崩れてしまった。 バアちゃんもヒーヒー笑い転げている。 てか、そのビールの空き瓶は? ひゃーひゃーと笑うバアちゃん。 そっかぁ。 隙間を埋めたいんだなあ。 部屋には若干の「捨てられない」が見て取れたから、バアちゃんの寂しさを垣間見てしまった。 なんも入ってない鍋… バアちゃん… ほんの数時間でバアちゃんに感情移入しすぎ。まだ分からんぞー? 問題は、鍵の説明がイマイチ分からなかったの…。いま21:37なんだけど、バアちゃん帰ってこない。 私に鍵を預けたのだが、なんか様子がおかしい。なんだろ?バアちゃんの鍵は?ってジェスチャーすると大丈夫みたいな事を言うけれど…。 とぅまろーとぅまろーと言いながら鍵をポストへ入れろと言う。これはチェックアウトの事かな。ポストの鍵はバアちゃんは持っている。 まさか宿の仕事してて、合鍵一個すら無いとか…そんなわけないよな。 ただいま10:50です。まだ帰ってきません。こちらはフェリーでろくに寝てないので眠いです。 バアちゃん!! 先に40€渡したけど、それでパーッと飲んでたりして? 部屋の扉を閉めてから気が付いたのだが、扉の内側に鍵が刺さっていた。その鍵には外のドアの鍵もついていた。 ああ! やっぱりバアちゃんは客用の鍵を見失ってたのか!だから変だったんだな。あはは! バアちゃんから受け取った鍵をポストへ入れておこう。そしてメモに「カタリーナへ!ポスト見てね」と。そのメモを分かりやすいようにポストに挟んだ。 よし、これで心置き無く寝れるぞ! バカだなバアちゃん。 くっくっく。 鍵が見つかって喜ぶ姿が目に浮かぶ。 さあ寝よう。 しかし…イタリアで蚊に刺された処が未だに痒い。 しかし今、私の中で「ナポリの宿で南京虫に刺されたのでは?」と言う疑いがある。何故なら二、三日経ってるし、至近距離で二箇所刺されている。腕と足に。ぬう痒い。ウナコーワなんぞ効かない。 カタリーナのキッチンで湯を沸かし、熱湯をキッチンペーパーに漬けて痒い部分にあてる。ぐああ! よし寝よう。 ベッドの上に転がって日記を書いて、ふと目をやるとシーツの上に南京虫がいた。奴らの動きは至極遅いのでティッシュを持ってきて潰した。 なるほどなー。 だから年寄りが0時になっても帰って来ないわけだ。 荷物に虫が付いたら怖いので、急いで荷造りをした。全く怒らず落ち着いたものだった。次からもこういう事があるだろうな。安宿にはそれなりの理由があるわな。 ハンガリーから来たあいつは、薄い寝袋カバーみたいなやつに入って寝ていた。あれなら良いなあ。 いやしかし…Wi-Fiできないから困ったものだ。 恐ろしいくらいに今の私は落ち着いている。カタリーナのコーヒーを淹れて飲んでいる。 まあ悲しいよね。 出かける時おかしかったはずだわ。 とぅまろーとぅまろーと言って、鍵をポストへ入れる仕草をしたカタリーナ。 明後日って言葉が分からないからトゥマロートゥマローって言ったんだよね?と今でも思うが、変だと思ったんだよ(明後日がチェックアウト)。でも、チェックアウトの時にカタリーナが居なかったらって話かな?と勝手に解釈していた。 カタリーナは分かってたな。 ベッドバグが居る事を。 虫が深夜に出る事も。 帰ってこないだろうなー。 半額でいいから返して欲しいけど、絶対帰ってこないよ。 「くそ!やられた!悔しい!」とは思っていない。悲しい。 ベッドシーツめくって見たよ? 普通に綺麗だったのよね。 つまり、部屋全体に清潔感の欠ける宿の主はダメって事だね。簡単な事だったね…。私は甘かったなあ。愉快かバアちゃんくらいにしか思ってなかったよ。甘々だ。 すごく楽しかったのに。 灰皿とか冷蔵庫の中の空っぽの鍋とか。 バアちゃんから見れば良いカモなだけだったんだな。悲しいなあ。 この窓からの景色はこんなに美しいのに。 あ!バアちゃんから名刺貰ったんだけど…何を考えてんだ? 少しでもバアちゃんを信じたい自分がいる。だけど現実は、深夜になっても帰ってこない事だ。 さて、明日はどうすべかな。 夕日と夜景のドブロブニクを撮ろうと思っていたし、バアちゃんさえ良ければここでゆっくりしたかったんだけどアウト。 貴重品以外の荷物は置きっ放しにして、スプリット行のバスのチケットを買ってから、早いうちにフニクラでドブロブニクを上から見て写真撮って、バスでスプリット行っちゃおうかな。 全く…まだ帰って来ないよ。 は!!! ドブロブニクカード…三日間の買ったのに…くほ…_| ̄|○ ドブロブニクはビーチで遊ばなければ、朝早くからなら一日で観光終わる。博物館もたいしたもの無かった気がするし、ドブロブニクカードは要らないかも!やはりこの手のカードは利便性=金額なだけだね。 1日券 130クーナ 2260円 3日券 180クーナ 3125円 あーあ。 と、ここまで書いていよいよ眠くなったので寝た。キッチンの外側にある食事場所の椅子を三個並べて。あと大きなバスタオルを枕にして。 良い感じで寝ていたのだが、雨が降ってくるわ風は強くなって窓をバーンと開けるわ寒いわで困った。 バスタオルを上にかけ、窓の鍵もしめた。しかし排水用の小さな穴から風がヒューと入ってくる。これは風邪引きそう。やだなあ、素敵なドブロブニクの思い出が…。 朝、なんとなく目が覚めた。 フェリーのリクライニングシートより眠る事ができた事に気を良くし、朝ごはんの支度を始めた。 確か、何を使っても良いと言ったよな?しかし卵くらいか。よしゆで卵だ!あとナポリから買ってきたカップラーメン。そして紅茶を探し当てた。 紅茶を飲みながら、まあなんというか、わざとこのまま居座って困らせてやろうかなと思い始めた。 外は曇り空。 夜は雷に雨に風だった。 しばらくすると、ガチャリと鍵の音がした。 シーン 私は椅子の位置を戻す事もせずにカタリーナを待った。カタリーナは中々来ない。また鍵がガチャリと行った。 なに? 廊下に出てる荷物見て逃げたか? そしたらお互いに了承したって事だよね。居座るよ。 しばらくすると、カタカタと音がする。すぐそこにカタリーナが居るのだ。 キッチンで湯を沸かす鍋を見ながらカタリーナが私を見た。 カタリーナ!と声を掛けた。 カタリーナは全てを察した上でしらばっくれて、どうしたの?と聞いてきた。 ベッド NOだよ。 そして昨夜潰しておいた虫を見せた。 するとトラベラーがなんとかと、カタリーナまで言い出した。私の髪と服に付いていたのだと。 そしたら私の身体も顔も虫刺されだらけだろが。これを言ってやりたい。 しかし今回は怒らない方針なんです。 カタリーナ^_^ ノープロブレマ!! ここで寝たからノープロブレマ^_^ ほんとにビックリしているよカタリーナ。 虫が出た事より、私がまだ居る事に驚いている。しかも怒らない変な客で、また今夜もここで寝ると言い出したのだから。 くくく。 カタリーナはスプレー買ってくると言い出した。スプレーじゃ死なないよ。 まあ、この空気から出て行きたかったのだろう。私にパンを切ってから出て行った。 あ、鍵をせっかく見つけたのに無反応だったな。 まあ私に驚いたからだろうな。 あ、帰ってきた。 ほんとに虫除けスプレー買ってきたけど、ハエと蚊じゃないかよソレ!とツッコミ入れた。そして今やろうとするから、ナイトだよナイトと言うと分かったと言ってスプレーを引っ込めた。 かなり気まずい空気が流れる。 外は引き続き曇り。パラパラと雨が降ったり。出かけたくない。 バアちゃんの話をまとめると、口外しないでくれって。お客様にカムバックして欲しいと。 私はちょっとムカついてきたので、バアちゃんを部屋に連れて行った。このマットレスよりも、ソファベッドのソファがまずいんじゃね?と。そしたらバアちゃんはいきなりベッドのマットレスをゼエゼエ言いながら窓際へ持って行った。 ソファベッドを直すと、埃がたまっていた。これ掃除機しないとね!と掃除機を指さした。 バアちゃんは一生懸命掃除していたが、南京虫はそんなもんで駆除できるものではないのだ。スプレーも。でも日頃から綺麗にしてろよと言うメッセージなだけ。 居た堪れなくなって着替えて外に出た。カフェに来るまでに雨がちょっと降った。困ったな。 バアちゃんはとにかく驚いている。私が今夜も居ると言うから。しかし分からん。
by tr.horus
| 2013-09-16 18:07
| 世界一周③東欧編
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Comments(4)
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多聞
at 2013-09-17 22:48
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苦労しとるねぇ。帰って来てしまえば良い思い出になっちゃうんだろうけど、現在進行形の間はなかなか気が休まらなくて大変かもですね。きれいな景色を見て、んまいものを食って、今しかできない体験を堪能してくださいな。
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tr.horus at 2013-09-18 18:44
>たもちゃ
いや、苦労なんかしとらんよ! あの韓国人より全然楽しいよ!w あの韓国人と二日居るよりカタリーナを選ぶね私は。 いまザグレブなんだけど、寒い…w いまレストランなぞに入ってラザニア注文しやした。わくわく!
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多聞
at 2013-09-18 22:13
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いやその韓国人とじゃ比較にならんでしょ・・・w
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tr.horus at 2013-09-19 00:50
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