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2013年 12月 10日
中々遠かった。
ドライバーの彼の話を聞くと、ガソリンは1リットル2ポンド。 え?と聞き返した。 日本は10ポンドだぞと言うと、かなりビックリするドライバー。 でも日本製の車はとても高いのだと。 韓国製の車はちょっと安い。 日本に居れば車は安く手に入るけど、ガソリンが高いなーと言うドライバー。彼はシビックが欲しいんだってさw こういう会話の時、日本は道が狭いし身体も小さいから小さい車を選ぶのだ。そしてそれは燃費が良い。1リットルあたり20キロ走るんだよ?と言うとドライバーはかなり驚いた。今の一番新しいのはダイハツで30キロ走るよと言うと相当ビックリしていた。まあその分、ガソリンが高いからねと。 ドライバーは感じの良い人だった。 次のホルス神殿に入る前に、中では何も買うな、偽物のチケット売りが居るかもしれないから他人の話を聞くなと忠告してきた。 了解! エジプシャンこわ! 車を降りた瞬間っていうか、降りる前から人が集まり出した。ワラワラと私の後に、いや先に回ってチケットは此方ですとか言っている。 私は困った顔をドライバーに向けた。 ドライバーはチケットはあっちだと指差してくれた。 いやー参ったな。 観光客が居ないから、あらゆる視線が私に集中する。 しかしチケット売り場の男は寝ていた。 まだ眠ったままの顔でチケットを渡してきた。全く腹立たしい。60ポンドだぞ?ありがとうくらい言え。 先ほどのコム・オンボは40ポンド。 タクシードライバーは「いやいや10ポンドだって、安心しろ」なんて言っていたのに40ポンドだったのでチケットを見せたらビックリしていた。倍に値上がったのを知らなかったのだろう。そして彼が言う10ポンドと言うのはエジプシャンプライスなのだ。ツーリストプライスに目を丸くしていた。この後、このホルス神殿の60ポンドのチケットを見せると「クレイジー……」と呟いていた。だから言ったでしょ?毎日毎日えくすぺんしぶなのと。今のところ一日平均すると4000円と、結構かかっている。滞在費は安いが観光代がシャレにならないのだ。チケット倍額はやりすぎ。 英語が堪能ならば、こう言いたかった。 「倍額になってしまったせいで、お土産売りからお土産を買うお金がない」と。もちろん買う気は元々ないのだが、政府が観光客の財布を直撃したせいで、庶民に金が回らないということを言いたかったのだ。 話を戻そう。 しつこいお土産売りから逃げたものの、勝手に子供が付いてくる。ビタリと足を止め、財布から1ポンド出して三人に渡し「ここで止まれ」と言った。 一人だけそれでも付いてくる。 トイレは行かないの?とか。 私は静かに見たいんだ。 さっき1ポンドあげたよね。 だから静かにして欲しいと言うと、渋々引き下がっていった。 これは良くない事だと重々承知の上での苦肉の策だ。ここばかりは…。金で静けさは買ったものの…悪い習慣に倣ってしまった事を悔いた。 気を取り直して! ホルス神殿も良かった。 うわあーとテンションアップするほど。 そのまま中に進むとガタンゴトンと激しい音が。 うわ…めちゃくちゃ工事中だ…。 入口が封鎖されている。 え?入れないの?え?? めちゃくちゃテンション下がった。 しかしよく注意すると、あちらから中に入れるようだったので向かってみたら中に入れた。危うく何も見ずに帰るところだったよ。 書けよ!!! ほんと無責任!!! 60ポンドの仕事をしろ!!! 中に入るとエジプシャンの観光客が多かった。 それでも何十人と居るわけではない。 学生に囲まれ見世物状態に。 写真を何枚撮られたのだろうか…。 学生が居なくなると、急に静かになった。 ありがたいと思い中へと進む。 中々古い。いやさすがだ。 ホルスだらけ。 これは帰国してから写真を見せるしかない。 今日はホルスとセベクのお礼参りのようなものができて良かった。 正月に神社に初詣した後のような清々しい気持ちの良いまま帰りたかった。 遺跡の中にはクソガキが1人いて、それが金をくれるまで引き下がらないつもりだろう。こちらの気を引くために異音を立てたりしていたが、徹底的に無視をした。他人が嫌がる事をする事で金が貰えるなんて、そんな事を教えてはならない。 タクシーに戻ろうとすると、またまた土産売りが!! 車に乗り込み、ハアーーっと息を吐いた。 終わった…。 ホルスとセベクを詣で、これで私のエジプトの旅は終わりだ…。 かなり感慨深いものがあった。 しみじみとエドフの町並みを眺めていた。 するとタクシーが変な道で停まった。 「ちょっとタバコ作るから待って^_^」とドライバーが言い出した。 え?タバコならやるよと言って、私のタバコをあげようとしたのだが拒否してきた。 やることを眺めていて驚いたのだが、私の目の前でハシシを吸うために改めてタバコを巻き直していたのだ。 ポカーン え? ちょっと…あの… 考える事だらけだよ。 それハシシか?と聞くとイエス!と。 私が無言でいると問題ないと。 何が問題無いの? ポリスが来たらどうすんだよ? 彼はポリスは来ないよと。 ハシシは売ったら捕まるけど、吸うだけなら大丈夫なの!ほら、これはただのシガレットと言う彼の手には、どう見ても先の太ったタバコ…明らかにドラッグに見える紙巻タバコがあった。 車の運転はセーフティなのかよ? 大丈夫なの? 彼はもちろん大丈夫としか言わない。 しかも臭い。 気分が悪くなる。 ねえムハンマド、君が吸ってる間、私は外で待つから車を止めろと言うと、彼は驚き大丈夫だと。この道にポリスは来ないと重ねて言う。 私はとりあえず黙った。 分かってないねムハンマド。 君を一瞬でもいい人かもしれないと思った私がバカだったよ。やっぱりエジプシャンはエジプシャンだ。最後まで期待は裏切らないんだね。 私が何を心配してるかって、ドラッグ吸ってるところにアンタの仲間が来て「警察だ!」なんて言い出すんじゃないかって疑って不安になってんだよ。 私はこの危機的状況を、どう打開すればいいのか。 突然降って湧いた災難。 夜遊びもせず、君子 危きに近寄らずと徹して来たのに、何この…この…。 こいつはバカだよ。 ハシシはハッパとは違うと。 ハッパはあとあとダメになるけど、ハシシは大丈夫だと。 私はもう口も聞かなかった。 なす術も無い。 ポリスが来たら何と言い訳しようかと考えていた。 偽ポリスにしてもだ。 全くなんて国だ。 一日たりとも怒りを伴わない日は無い。 彼は「大丈夫、もう終わった!」と言った。 …偽ポリス詐欺ではなかったようだが…そのハシシ吸った後ってどうなるの?それで運転するわけだろ?大丈夫なのかよ。 こんな事で死ぬのはイヤだな。 はあー。 ずっと横を向いたまま景色を眺めていながらも、やはり静かに怒っていた。ひとの迷惑も省みず…と。 もっと真面目なやつに200ポンドの仕事をさせたかった。 やっとアスワンに戻った。 彼はひたすら謝ってきた。 ほんとに悪かったよと。 もしあんたが私のブラザーだったら殴っていたよと言った。 …あれ? 今日は何したんだっけ? 素晴らしい遺跡を見た事すらふっとぶ出来事…。 全く…ほんとに…呆れたわエジプシャンには。 心の底から愛想が尽きた。 私は二度とこの国には来ないと誓う。 そしてこれを読んでくれた全ての日本人にツアーで行く事をオススメする。カイロでギザのピラミッドだけなら問題ない。 しかし行く価値のあるのはルクソールより下の地域だ。ルクソールは行かなくて良い。 どうしても個人で行きたかったら、カイロにある日本人宿のベニス細川のツアーをオススメする。あそこは携帯電話を渡してくれるから、トラブルがあった時に電話して助けを乞う事ができるからだ。その宿が紹介したツアーだから、親身になって解決するように頑張ってくれるだろう。 ほんとに糞みたいな、糞まみれな国だ。 これから出国するまで、まだ一週間程ある。 それまでは糞まみれになって我慢する事にします。
by tr.horus
| 2013-12-10 07:35
| 世界一周④中東+ギリシャ編
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