画像一覧
カテゴリ
全体 世界一周①MEXICO+CUBA 世界一周②西欧編 世界一周③東欧編 世界一周④中東+ギリシャ編 世界一周⑤東南アジア編 世界一周⑥ネパール編 中南米旅行 も く じ 中南米旅行 準備編 中南米旅行 メキシコ前編 中南米旅行 ペルー前編 中南米旅行 ペルー後編 中南米旅行 イースター島 中南米旅行 メキシコ後編 九州へ行こう@軽自動車 チバラギに行こう@軽自動車 旅行雑記 リアル日記 色々感想文 どうでもいいことry ラブプラスは妄トレです 家庭用ゲームに忍ぶ iPhoneApp お気に入り ホルス戦記 うーたん日記 後藤又兵衛道中記 デジャカル オロカ! ネトゲしようぜ! MHF もんはんふろんちあ 雑記 パチレゴ制作 Game of thrones 未分類 以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 05月 2023年 03月 more... 記事ランキング
ブログパーツ
フォロー中のブログ
Link
ライフログ
タグ
その他のジャンル
ブログジャンル
|
2013年 02月 17日
先に断っておくが、評判の良いものをこき下ろして好い気になりたいわけではない。
最初に言ってしまうと、ドグラ・マグラは私が求めてた類の作品ではありませんでした。 京極夏彦の本の方が好きですね。 他の方の感想に、京極夏彦が好きな人には向いてるかもと書かれていましたが、これは、ドグラ・マグラは全く違う。 私はドグラ・マグラを読む前に、小説の表紙絵と映画のポスター?みたいなのを見たのよ。 これらが私にどんなインスピレーションを与えたかというと、医者が裸の女を弄ぶ系の怖い話。 小説の表紙絵などは、陰部を隠した女性の芸術的かつエロチックな作風のイラストである。 読み終えて一言、あの絵は一体何の関係があるのか? 映画のポスターっぽいヤツ、あのイラストは一体なんなのか? 怪しげなメガネの男が注射器を持ち、裸の女を抱え込んでいる。 確かにそんなシーンはあった。 しかしエロくはなかっただろ? だけどあのイラストは、恣意的とさえ思える。 私は静かにあのイラストに対し敵意を抱くよ。 エロチック? ホラー? そのイラストが私をだいぶ勘違いさせた。 私の中でこの作品は、アレ系だなと勝手に思い込んでしまったのだ。 マニが好きな「少女椿」みたいなさ。 あの手の時代、作風をイメージしてしまったのだ。 これが一つ目の勘違い。 二つ目の勘違いは「精神崩壊するほどの推理小説だと希望していた私自身」が大きな間違いだった。 まず発行年数は1935年、大正時代である。 古い作品は、新しい作品に淘汰されて影が薄くなるものなのか? 私が京極夏彦を贔屓するあまりドグラ・マグラを冷遇するのか? そうではないのだよ。 まずこの作品が言う「精神崩壊する」って売り文句は…これこそが大いなる勘違いを産んでいる。 犯人のトリック云々で脳みそがおかしくなるワケでもないし、エロチックで注射器でグロテスクで脳みそがおかしくなるワケでもない。少女椿の方が死ぬ程怖い。 しかし、確かに私の脳みそが少しブンとぶれた箇所はあった。 何が原因かと言うと、話の層が何枚もあって、その話をきちんと読んでる時に、何度もあちこち話が移動する。 いま私が読んでいるのは夢かうつつか。 その交差に脳みそがブレた。 確かに、脳みそはブレたが、それだけだった。 小説の中で好きな箇所は胎児の夢。 これは面白い。 そして話の終焉も胎児の夢を彷彿とさせた。 それはよい。 小説の中に出てくる正木という教授が、あれ程までにエログロナンセンスと謳ったにも関わらず、エロもグロも全く以て私の脳みそを揺らさなかった。それは現代がすでにそれらに蝕まれているからか、それとも私の感性が鈍いのか。 このドグラ・マグラの作者は、この作品は五回読んで五回違った感想を得ると言っている。 筒井氏は、この作品を一度読んだだけで二度は読まなかったが、俺の作風の中にあると書いてあった。それを読んだ時、ああほんとだと思えた。 そう、私が思うエログロナンセンスは筒井氏だ。 私は筒井氏の作品の方が好きだ。 さて、ドグラ・マグラは映画化されているというが、映像化された世界は私の中のドグラ・マグラの風景と一致するのだろうか。 私の脳内には精神病棟内の風景がありありと浮かぶ。 七号室の中も、隣から聞こえる女のキチガイじみた叫びも。 確かに私はかの世界にいた。 まさか巻物に付着してる白い粉が麻薬でしたーなんてオチじゃねえだろうなとか構えながら読んでいた。 七割まで面白くない。 八割にきてから、やっと話が進む。 どんどん話が進み、そのまま終わってしまった。 この終わりをどう捉えるか? そういう談義は楽しかろう。 しかし私はドグラ・マグラはもういいや。 もう一度この本を読むくらいなら、恐る恐る少女椿を見てにげてしまいたい。 あ、ちなみに私は少女椿は最後まで見ておりません。 あれこそ精神的にやばくなる(・_・; ドグラ・マグラは、親子の愛ありき。 でも読んでて風は吹かなかった。 暗闇が怖くなる事もなかった。 1935年の本を現代人の私が読むから感動を得られなかったのか? そう何度か自問自答した。 しかし古い作品でもいいものはいいのだ。 つまり私の感性とは合わなかったという事だ。 情報量、混乱、恐怖ならば京極夏彦だ。 私が好きなのは「魍魎の匣」だ。 脳みそでんぐりかえるよ。 む!? いや別に新旧の作品を比べてどうのこうの言いたいワケじゃねーのさ。 私だってここまで読んでこの気持ちなんてイヤですよ。 はふーん このガッカリ感は京極夏彦の「鉄鼠の檻」並だ。
by tr.horus
| 2013-02-17 20:14
| 色々感想文
|
Comments(10)
Commented
by
シュレナ
at 2013-02-17 23:46
x
ドグラ・マグラはあれだのー、求めているものが違ったんだろうねぇ。
読み手は混乱し妙なトリップ感に襲われる。わけのわからない小説。 けれどそこには10年の歳月をかけた構成と伏線の張り方と会話、1度読んだだけではわからない登場人物たちの行動や思考が理解できるようになるということで、読んだ数だけ違う感想を得られるということなんだろうなぁ… ただ思いっきり人を選びますよね。好き嫌いがはっきりしちゃう作品。 夢野久作の作品て中井英夫もそうだけど棚に置くとすると、探偵小説や推理小説じゃないんですよ、幻想小説のジャンルでした。赤江瀑も同じ棚に置いたな…。オイディプスの刃とか好きだったなぁ…
0
Commented
by
tr.horus at 2013-02-18 09:30
>シュレナさん
私が憤りを隠せないのは、この作品を取り巻く宣伝ですね。 もっとナチュラルに読者が読めなきゃいけないよ。 しかしこれは今でもある。 映画の宣伝と内容が思ってたのと全然違うやんけ!って怒りたくなる映画とかあるもんね。こういった勘違いを引き起こす宣伝は、宣伝受け持ったヤツはちゃんと作品読んでるのか?と疑いたくなるよ。 シュレナさんはこの作品を幻想小説に分類する…とあるね?それが正しいと私も思う。そこがもう京極夏彦とは違うところ。 ドグラ・マグラは七割までひたすら情報の詰め込みをやらされる。そこからやっと脳味噌をブレさす話が始まる。 しかしこの本の宣伝は、この作品を読むと精神崩壊すると。だから姿勢正しく騙されまいぞと整理整頓しながら読み進めてしまう。これがいけない。 読んでて発狂するような人の悪行。 てっきりそういう物かと思ってた。
Commented
by
tr.horus at 2013-02-18 09:39
>シュレナさん
文章の交差に対し、少なからず私も脳味噌ブレましたが、この技法がこの作者の技巧であるならば、京極夏彦を読んでた私の脳味噌には効かなかったという事ですね。 京極夏彦と比べるのはおかしいかもしれないが、あれも幻想的とさえ思える美しさがある。その美しさは人が何人も死んでいるにもかかわらず、その世界を景色を殺人鬼を…美しいとさえ思ってしまうから。 その美しい情景の中に、私は脳味噌に脂汗をかきながら必死になって話に追いつくので精一杯だった。ただただ京極堂が口を開くのを待った。 私は部屋の暗闇が怖くなった。 京極夏彦こそ勘違いの宣伝をやらさせてると思う。妖怪ばかり出てくる小説かと思ってたからね(・_・;
Commented
by
tr.horus at 2013-02-18 09:48
>シュレナさん
私はこのドグラ・マグラを嫌ってはいないよ。何故なら胎児の夢のところが気に入ってるから。これは考えたことなかったよ。 一番ワクワクしたのは、若林が女性の死体をすり替えるところ。あそこでもっと狂うのかと思ったけどアッサリ終わってしまった。ココこそが、映画のポスターの箇所だ。 うーむ。 私自身がすでに変態だから無感なのかもしれませんな…(・_・;
Commented
by
シュレナ
at 2013-02-19 02:36
x
確かに先に京極夏彦とか読んじゃうとインパクトは減っちゃうよねw
小説じゃないけど、映画とかでホラーってあるじゃない。 私は基本的に血しぶきグロの類のホラーは大嫌いなんです。気持ち悪くなるからw なのでこれだ!これこそがホラーだ!というのは、情報量の違いで多くの人とは合致しないと思うんだけど、私が怖いなーと思ったのは死体が出るわけでもなく、殺人鬼が現れるでもなく、幽霊が出るわけでもないのに、音の効果もあったかもしれないけれど、映画館で見ていて背筋がびくーっとなったものがあったんですね。別に怖いわけじゃないのよね、この映画は。 でもパンフなどはあおむけに寝ている女性の体の上に耳のとがった夢魔がしゃがみこんでいる図でしたね。そのシーンは確かにあるんだけど別にメインじゃないんで、そのワンシーンしか出ないやつなんだけど、まあ客寄せにはいいでしょうねw シャイニングのように幻視や幻聴でどんどん精神が病んでいくとか、なんかそういう見えないもののほうが、ぞわわわわとします。
Commented
by
シュレナ
at 2013-02-19 03:04
x
まあドグラ・マグラはあれですね、確かに当時はインパクトがあったし精神病院がからむしで、そういう宣伝になっちゃうんだろうけど、変な期待をすると裏切られる内容ですよねぇw
読むと精神が云々というのは、いまだかつて本を読んでそういう人が出ていないはずなのに、おそらくは横溝正史だっけ?が「わけのわからない小説」と言って何日かおかしな感じだったという感想を大げさにしているだけのように感じますね。 ちなみに上記にある映画は、まあ期待されちゃうとがっくりするのでお勧めしませんが「ゴシック」というやつです。 この映画で扱った題材は、いくつか映像になっていると思います。ブレイクする前で一部にしか知られていなかった若いころのヒュー・グランドが出た「幻の城」というのも同じ題材でした。 6月15日の嵐の夜、バイロン卿とその主治医ポリドリとシェリー夫妻(この時はまだ結婚していなかった)が集まり幽霊(恐怖)話を作ろうとなったエピソードです。 のちにポリドリは「吸血鬼」を、メアリ・シェリーは名作「フランケンシュタイン」を発表しています。 なのでこの2作が作られるきっかけとなったこのエピソードは想像を掻き立てられるのでしょうね。
Commented
by
シュレナ
at 2013-02-19 03:08
x
ただ吸血鬼小説としてはブラム・ストーカー「ドラキュラ」とレ・ファニュ「カーミラ」のほうが有名ですけれどね。ポリドリはほとんど読んでいる人はいないと思う。マニアくらいじゃなかろうかw
まあのちに喧嘩別れしたバイロン卿がギリシャ独立戦争の義勇兵として戦死しているのですが、吸血鬼作上で主人公のルスヴン卿(バイロン卿がモデル)がギリシャ方面に旅行中、山賊に殺されたのちに復活するという話があるのですが、実はバイロン卿が戦死したのは本が発表された数年後ということで、なんとも因縁があるというかなんというか… 吸血鬼大好きーな私としてはこういうエピソードも興味深くてチェックしたんですよねぇ あああああああ、好物だとついつい長文になってしまったああああ!
Commented
by
シュレナ
at 2013-02-19 03:19
x
あ、ついでに。
京極作品で美しさを感じるってわかるわー。 なんだろう、赤江さんのときも日本刀が突き刺さっていたりするのに美しいの。あれは描写の仕方なのかなぁ… こう幻想的なというか鮮やかな赤が目の前に広がるのに美しい。時にそれは妖艶さも併せ持っていて…大げさに言えば色気すら感じられる。 それは文章の美しさ、選ぶ言葉や文字で綴られる描写なんでしょうね。
Commented
by
tr.horus at 2013-02-19 21:25
>シュレナさん
そいえばヴァンパイア好きだって言ってたね。変わった人だなって思ったけど、今はちゃんと理解できてます!w あなたには膨大な記憶があるんだね。 >シャイニング 素晴らしい映画だね! これこそ古かろうがお構い無しの名作中の名作だよね!なんたって無駄に洒落た家具を真っ赤にどぶわああああっと血で…ね?w あの作品を始めて見たのはヤポの紹介で、ヤポのお部屋にお泊まりしながら観たのです。怖いけど美しくて素晴らしいの一言だった。あの衝撃は現代に於いても中々ないべ。
Commented
by
tr.horus at 2013-02-19 21:35
>シュレナさん
あなたの最後の「選ぶ言葉や文字で綴られる描写なんでしょうね。」◀ここ読んで感心しやした。 ほんとにそう思う。 選ぶ言葉と文字が綴る「描写」とは中々いい事言いやがりますな。 これは何回も噛み砕く。 いい言葉です。
|
ファン申請 |
||